最速145キロ右腕が夏の埼玉を熱くする。武南のエースでプロ注目の石橋凪仁(なぎと)投手(3年)が、7月8日開幕の夏の埼玉大会に向け、臨戦態勢を整えた。現在の調子について「フォームの仕上がり、体のコンディションも好調」と自信をのぞかせた。

昨夏も2年生エースとして16強入りの原動力になった。ただ、先発して敗れた5回戦の昌平戦では、楽天にドラフト1位で入団した吉野創士外野手(19)に初回に本塁打を浴びるなど、8回7失点。自身の降板後にチームは逆転サヨナラ負けを喫した。吉野がプロ入りしたことで、石橋も「プロでやり返したい」と強く思うようになった。

新チームになり、よりエースとしての自覚が芽生えた。練習試合で気になった投手と対戦すると自ら声をかけ、投げ方を教わった。2年秋までは4つだった球種には、新たにツーシームなどが加わり、7つのボールを操れるようになった。身長も10センチ以上伸び、現在は176センチに。体の成長と重点的に行った下半身トレーニングの成果も表れて、最速も1年時から約20キロアップの145キロになった。

最後の夏へ、誓う目標がある。「チームとしては1戦1戦勝って甲子園に行きたい、個人としては150キロを目指して、プロでも通用する球を投げたい」と力を込めた。【星夏穂】

◆石橋凪仁(いしばし・なぎと)2005年(平17)3月24日生まれ。小学1年から野球を始める。武南では1年秋からベンチ入りし、2年春から背番号1。176センチ、71キロ。右投げ右打ち。