開幕日に登場した今春センバツ出場の第1シード大島が、15安打を放つ10-1の8回コールドで薩南工を下して快勝発進だ。プロ注目の最速146キロ左腕、大野稼頭央投手(3年)は、8回5安打1失点で初戦突破に導いた。

この日、8回に記録した最速144キロの直球を軸に、キレのあるスライダーなどで翻弄(ほんろう)。回をまたぐ3者連続など8三振も奪った。「序盤はいい感じで打たせていけました。球数を減らすことも大事なので、省エネを意識して変化球を多めにしました」と振り返った。

打っては、3回1死満塁で、先制点の押し出し四球。6回には、投手強襲ヒットで出塁して、4点目のホームを踏んだ。さらに、7回1死三塁に左中間適時三塁打。8回には、一塁強襲適時打を放った。3打数3安打3打点の結果には「打ててよかったです」とサラリとしていた。

センバツは大野が8回8失点と打ち込まれ、明秀学園日立(茨城)に大敗し、1回戦敗退。春季九州大会も大野が7失点で、小林西(宮崎)との1回戦で完敗。不調に陥ったエースの巻き返しが注目されていた。

複数球団のスカウトが見守る中で投打に復調した姿を披露した。「周りを見ながら、バックを信じて投げるようになりました。最後の夏なので、挑戦者の気持ちでやっていきます」。