<高校野球京都大会:京都外大西10-0洛北>◇1回戦◇9日◇わかさスタジアム京都

大阪、京都、滋賀大会などが開幕し、近畿の夏が本格化。京都大会では今秋ドラフト候補で、二刀流としても注目される京都外大西・西村瑠伊斗(るいと)外野手(3年)が高校51号を放つ活躍を見せ、洛北に圧勝発進した。

注目の二刀流が夏初戦から豪快アーチをかっ飛ばした。4点リードの4回、先頭で西村が打席に向かうと、三塁手が動く。外野4人の「西村シフト」をあざ笑い、右翼上空にソロ本塁打を放った。

高校通算51本塁打にもクールを装う。「しっかり軽く振ってとらえられたのでよかった。(以前も)ああいうシフトをされた。外野を越したらホームランになる。よく飛んでくれた」。過去にも同じような守備陣形を敷かれた経験があるが、意に介さなかった。

この日は2安打2打点。上羽功晃監督(52)も「公式戦でしっかり結果を出してくれた。打席の中で調整できる。目いっぱい振るとき、ミートに徹するとき。柔軟性が打撃にある」と信頼する。左腕先発の中辻慶吾投手(3年)が7回を無安打無失点。マウンドに立つ機会はなかったが、背番号1を背負う大黒柱だ。

最速147キロを誇り、二刀流でプロ注目だが、ひときわ目を引くのが打撃だ。この日も複数球団のスカウトが集結。幹部クラスが訪れた球団もあった。オリックス早川スカウトが「緩い球を打つのも難しいが、あおり打ちしない。左中間やセンター方向にも長打を打てるのが一番の魅力」と話せば、広島鞘師スカウトも「関西でトップクラスの打者。スイング以上に飛距離が出る。練習してできるモノではない」と評価する。

7回に二盗を決めた後、両足ふくらはぎがつって交代したが前を向く。「甲子園に行って60本打ちたい」と量産宣言。10年以来12年ぶりの夏の甲子園に向け、好発進した。【酒井俊作】