夏の甲子園初出場に向け、乙訓が初戦をコールドゲームでものにした。

初回、原一成外野手(3年)の2点右前適時打などで3点を先取。有利な試合展開のまま、5回には再び原が無死一塁の場面で中越え本塁打。バスターで運んだ一発だった。

投げてはエース右腕中西孔太朗投手(3年)が5回まで三塁を踏ませない投球。5回2/3を無失点に抑え、試合を作った。

市川靖久監督(39)は「(奪った)三振も多かったがカウント悪くなってからのものも多かった。守備のリズムを改善したい」と振り返った。

また、バスターでの本塁打については「サインは(ヒット)エンドラン。バスターはこいつ(原)が勝手にやった」と話した。

その意図を問うと原は「1,2球目にバントのサインが出ていた。怪しまれると思ったので考えてやった」と明かした。

打ったのは真ん中やや高めの直球。「バントの時2球続けて直球が来ていたので次も来ると思った」。

狙いを絞り、コンパクトにバットを振り切った。

この日は本塁打を含め5打点の活躍。チームの大勝に大きく貢献した。

次戦に向け原は「3回、1死満塁の場面で欲が出てサードゴロになった。自分の欲は後回しにして、1つ1つ後ろのバッターにつなぐようなバッティングをしたい」と改善点を口にした。

チームの目標である甲子園ベスト8へ、まずは一歩を踏み出した。【波部俊之介】