<高校野球長崎大会:海星2-1鹿町工>◇21日◇準々決勝◇スポーツパークいさはや第1野球場

長崎大会は21日、準々決勝2試合が行われ、3年ぶりの甲子園出場を目指す海星が4強進出を決めた。

プロ注目で最速146キロ右腕のエース、宮原明弥(はるや)投手(3年)が、救援で4回2/3を1安打無失点の好投。7回の逆転劇を呼び込んだ。

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エースの快投が、試合の流れを変えた。海星の宮原は、0-1の3回1死二塁から救援登板。ノーシードから勝ち上がり、この日も押せ押せムードだった鹿町工を、最速146キロの直球を軸にねじ伏せた。4~7回も1安打で無失点投球。6回は圧巻の3者連続三振だ。「先制点を取られて悪い流れだった。自分がエースとして、流れを呼び込めるようにしようと。抑えられてよかったです」。リリーフでも際立つ存在感を発揮し、勝利に導いた。

宮原の快投に、打線も応えた。1点を追う7回に3連打で同点。なお1死満塁で、宮原の代打で主将の柿本彩人外野手(3年)が中堅に決勝犠飛を上げた。「リズムを作ってくれた宮原の分まで打ってやろうと思っていました」。殊勲の一打で宮原の快投に報いた。

離島の対馬で生まれた宮原は、生後間もなく心臓病を患った。1歳を過ぎた頃に大手術。完治したのは中学生の時だった。プレーに影響はなかったというが「(家族に)苦労がかからないように」と、元気に野球に打ち込む姿を見せてきた。努力は実り、1年秋にして伝統校のエースナンバーをもらった。181センチ、89キロ。NPBの複数球団が興味を示す、本格派右腕に成長した。

3年ぶり19度目の夏の甲子園へ、2年連続の4強入りを決めた。6月のNHK杯も優勝するなど波に乗る。試合後には鹿町工から千羽鶴を託された。宮原は「去年は準決勝で負けた。リベンジできるようにチーム一丸となってやっていきます」と引き締めた。準決勝は25日、大崎-長崎商の勝者と対戦する。【只松憲】

 

◆宮原明弥(みやはら・はるや)2005年(平17)3月3日生まれ、長崎県対馬市出身。豊玉小1年時に「豊玉小ソフトボールクラブ」でソフトボールを始まる。小島中では軟式野球部に所属。海星では1年秋からエース。直球の最速は146キロ。変化球はカーブ、縦スライダー、カットボール、フォーク。181センチ、89キロ。右投げ右打ち。