第26回全国高校女子硬式野球選手権大会は2日、2年連続で決勝を甲子園で行い、横浜隼人(神奈川)が開志学園(新潟)との激闘を制し、初優勝を飾った。規定の7回で決着がつかず、延長戦に突入。タイブレークが適用された10回2死二、三塁で水島来望外野手(3年)が決勝打を放ち、栄冠をつかんだ。

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横浜隼人が土俵際から驚異の粘りを見せた。1点を追う最終7回2死二塁。あと1球に追い込まれながらも、加藤絢子外野手(1年)がバットを振り抜いた。右前への値千金の同点打。タイブレークが適用された延長10回2死二、三塁で、途中出場の水島が執念の中前2点タイムリー。1年生の躍動、3年生の意地でつかんだ悲願の初優勝だった。

準決勝までの5試合中4試合が3点差以内の接戦。うち3試合は逆転勝ちだ。田村知佳監督(42)は「この2週間、粘り強く戦ってくれた。逆転してくれると信じていた」とナインの粘りに目を細めた。

今春行われた選抜大会は新型コロナウイルスの影響により3回戦で辞退。入学時からコロナ禍となった主将の田上亜純外野手(3年)は「今までの先輩より練習時間は短かったが、工夫して練習した成果が出せた」と3年間を振り返った。

決勝の舞台が2年連続で甲子園で行われることが決まり、「監督を甲子園に連れていく」がチームの合言葉になった。田村監督は「約束をかなえてくれてありがとう!」と喜んだ。水島は「(小学生の頃に)甲子園は男子しかなく、行きたいって言ってもいけない場所だった。夢がかなった」と聖地でのプレーをかみしめた。【波部俊之介】