第104回全国高校野球選手権大会は20日に甲子園で準決勝を行う。大会NO.1右腕の近江(滋賀)・山田陽翔投手(3年)は前日18日の高松商(香川)戦で右太もも裏がつり、途中降板したが、回復を強調。下関国際(山口)戦の先発に自らGOサインを出した。

体調は万全だ。山田が準決勝の先発マウンドに、強い意気込みを示した。「体が動くことも確認できましたし、明日に備えていい形で終えることができたので、いい日になったと思います。(先発は)大丈夫です」。この日の練習では、完全ノースローで、打撃練習にも参加せず、回復に努めた。前日18日の高松商(香川)戦では、右太もも裏がつり、8回途中で降板。ここまで4戦連続で先発しており、計512球を投げた。「(右足は)全く問題ないです」。疲労蓄積も懸念されるが、表情に不安の色はなかった。

センバツ決勝で敗れた大阪桐蔭への再戦は甲子園で実現しなかった。決勝をかけた相手はダークホースの下関国際だ。「まさかという結果で。再戦したい思いはあったけど、倒して、すごいなと思った」。リベンジの思いは封印。「粘り負けしないように、こちらも根気強く粘り込んでいきたい。簡単には勝たせてもらえない相手だと思う」。優勝候補大本命を逆転で下した下関国際の底力を警戒した。

3季連続で4強に進出。多賀章仁監督(63)は機運の高まりを感じる。「(高松商に)勝ち切れた1つの要因は、彼らについている見えない力に後押ししてもらっている。山田の熱い思いに対して、皆さんが声援を送ってくれるのかな」。エースで4番の山田を中心に、チーム力は上がった。周囲の後押しも心強い。悲願の滋賀県勢初優勝まで、あと2勝だ。

○…18日の高松商戦で好救援した星野世那投手(3年)も準備OKだ。同戦では山田の後を受け、8回途中から登板し、9回まで無失点に抑えた。「与えられたイニングをしっかり投げきって、1イニングでも多く、1球でも多く山田の負担を減らしたい」。夏の甲子園で成長をアピールした左腕が、気合十分だった。