近江のエース山田陽翔(はると、3年)が7回途中、5失点で降板した。

同点の6回、先頭からの連続与四球から無死満塁のピンチ。空振り三振で1死は取ったが、下関国際・森凜琥(りく)内野手(3年)に勝ち越しの2点適時打を打たれた。

7回も先頭からの連打で無死一、三塁とされ、仲井慎内野手(3年)の犠飛で5点目を失った。2死からの四球で一、二塁としたところで、降板。右翼の守備位置に向かいながら、右翼スタンドに一礼。大きな拍手が甲子園に沸き起こった。

山田は準々決勝・高松商(香川)戦で右足がつったことが原因で、途中降板。星野世那投手(3年)の救援で勝ち上がっていた。

休養日を1日挟んで先発マウンドに上がったこの日は132球の熱投を見せた。7奪三振で、甲子園通算115奪三振までのばした。金属バットが導入された1974年(昭49)以降では箕島(和歌山)石井毅(元西武)を抜いて単独3位に浮上した。今秋ドラフト候補で、今大会最速の148キロを疲労がたまったこの日も計測。7四球を与え、本調子ではなかったが全力を尽くした。

滋賀県勢初の春夏通じて甲子園初優勝まであと2勝だ。ナインは一丸で劣勢をはね返し、粘り強い野球を続けてきた。この日も2点ビハインドの3回に清谷大輔外野手(2年)と山田がタイムリーを放ち、同点に追いついた。だが、3月のセンバツ準優勝校は6回以降、劣勢に立たされた。

8回にも3点を奪われ、打線の反撃もならず。滋賀県勢悲願の日本一はまたも持ち越しとなった。