名門の秋が始まった。秋季高校野球宮城大会に「大旗白河越え」を果たした仙台育英が登場。4番斎藤陽(ひなた)外野手(2年)の4打点の活躍などで登米総合産を5回コールドで下し、新チーム初白星を収めた。

8月22日の歴史的快挙から25日。1番から5番まで優勝メンバーが並んだ仙台育英が、初回から圧倒した。相手右腕のボールを見極め、3四死球で無死満塁の好機をつくると、4番斎藤の右越え3点適時三塁打で先制。以降は中犠飛と仁田陽翔投手(2年)の右前適時打で加点し、打者10人で一挙5点を挙げた。須江航監督(39)は「自分の力量や求められることを分かっていた。地に足をつけてプレーできていた」と評価した。

反撃は許さない。先発の仁田は4回1安打無失点と好投し、3者連続を含む8奪三振。5回から2番手で登板した田中優飛投手(2年)は、先頭に四球を与えたものの無失点に抑え、3回戦進出を決めた。チームは秋の大会10連覇中。「3番遊撃」で出場した山田脩也主将(2年)は「自分たちは一戦必勝というテーマで大会に臨んでいる。何があっても執念を出してしっかり勝ちきりたい」と気を引き締めた。

大会後には注目の一戦が控える。栃木国体高校野球硬式の部(10月2日開幕、宇都宮市清原球場)の1回戦で大阪桐蔭と激突する。

須江監督 すごく強い相手なので挑戦者の気持ちでぶつかりたい。(大阪桐蔭は)誰もが認める平成と令和のチャンピオンだと思うので、まだ最終的なメンバーは決まっていないですけど、日本のトップにいる学校との現在地を見極められたらと思います。

勢いを持って「平成と令和のチャンピオン」に挑むため、テーマに掲げる“一戦必勝”で、宮城大会覇者の称号を手に入れる。【相沢孔志】