東海大札幌の左腕阿部堅心(2年)が5回58球を投げて、被安打2、無失点に抑えた。鋭く落ちるカーブを武器に7奪三振を挙げた。打っては二塁打3本を含む4安打3打点と自らを援護した。

目を見張ったのは失点ピンチの芽を摘む4つのけん制アウトだった。けん制は中学時代から得意で1試合に1つはけん制死を取っていたというが、この日の4つは自己最多。「走者の動きを見つつ、足を上げる時間を長くする工夫をしている。走者を出しても楽にアウトを取れてよかった」と納得の口ぶりで語った。

阿部にとって、プロ志望届を提出している門別啓人(3年)は目標とする存在で、門別から譲り受けたグラブは使わずに保管している。門別からは投球術も伝授され、腕の振りや変化球の握り、フォームについて指南を受けた。この日は教えてもらったスライダーを実践し「コントロールが安定した」と手応えを感じている。球速は最速142キロだが、今大会では145キロを目標に設定した。「優勝して神宮に行きたい。門別さんを超えるような投手を目指す」と高みを見据えている。【石井翔太】

○東海大札幌の大脇英徳監督(47) (不祥事により9月5日に前部長が解任されたが)冷静さがある主将の桑谷が目の前の試合に集中できるように、チームをまとめてくれた。

●北海道栄の三橋璃久投手(1年) 来年の春までに甘く入る球をなくして、捕手が構えたところに投げ込めるように練習したい。