広陵(中国・広島)・真鍋慧内野手(2年)が本領発揮の大アーチをかけ、東海大菅生(東京)を退けた。7回、右翼席に高々と上がる高校通算48号ソロ。同校2年生は日程がかぶった修学旅行を回避しての大会出場。2年連続の1発で最高の思い出を作った。夏秋連続の全国Vを狙う仙台育英(東北)は9回に5点を奪う大逆転で沖縄尚学(九州)にサヨナラ勝ちした。

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甲高い打球音を残して舞い上がり、7秒近くもかけて右翼席中段に落ちた。190センチの巨体で軽やかにベースを回った広陵・真鍋は「とても感触が良かったです。弾道が高くて、いい打球でした。神宮大会で打ててうれしい」と高校通算48号を自賛した。中日米村チーフスカウトは「まさにアーチスト」と驚き、ヤクルト橿渕スカウトグループデスクは「スケールアップしましたね」とうなった。

夢の国にも劣らぬエンターテインメント性のある衝撃弾だった。広陵2年生は18日まで修学旅行。神宮大会出場が決まったため、野球部は参加を断念した。東京ディズニーシーにも行く予定だったが、真鍋は「神宮大会は2回しか行けない。ディズニーは何度でも行けますから」と豪快に笑った。3泊4日の旅行を楽しんだ同級生をうらやましがることもなかった。

中井哲之監督(60)は「飛距離があり、どちらにも長打が打てて勝負強い。彼が打つとチームが乗る。ずっと引っ張ってくれている」と改めて信頼。昨年は決勝で大阪桐蔭に敗退。「神宮で負けた借りは神宮でしか返せない」と真鍋。ホームランパレードで修学旅行以上の思い出を残すつもりだ。【柏原誠】

▼昨年準決勝(対花巻東)で3ランを放った広陵・真鍋が、今年も本塁打。神宮大会高校の部で2年連続本塁打は、本間篤史(駒大苫小牧)が04年新田戦(2本)、05年早実戦で打って以来2人目。

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