高校の部の決勝は昨年と同じ組み合わせになった。

広陵(中国・広島)が北陸(北信越・福井)に完勝した。第1試合で仙台育英(東北)を1点差で振り切った大阪桐蔭(近畿)と、23日の決勝で対戦する。

広陵・高尾響投手(1年)が7回で11奪三振、無失点の好投を演じた。四球や失策がらみでピンチは招いたが、ホームは踏ませなかった。1年春に名門の背番号1を与えられた好素材。中国大会の前に右足甲を疲労骨折した影響で、神宮大会はエース番号を倉重聡投手(2年)に譲った。背番号11で臨む初の全国大会だったが、万全ではない状態で結果を出した。

OBの後押しも力になっている。中井哲之監督(60)は「ホテルにプロ、社会人、大学生…と教え子がたくさん来てくれて、対応に疲れるんです」と満面笑み。広陵2年生は15日から3泊4日の修学旅行で野球部員は参加できなかった。いわば神宮大会での東京遠征は修学旅行代わり。

気づかってくれたのがプロ選手だった。巨人小林はメンバー中心に約30人、DeNA佐野はメンバー外の選手を約30人連れて、焼き肉店でごちそうを振る舞った。他のOBもスイーツなど差し入れを大量に持ち込んでくれているという。

大阪桐蔭とは1年前に7-11の打ち合いで敗れている。決勝で2年連続の同カードは大会史上初めて。中井監督は大阪桐蔭との再戦に「どう考えても強すぎる。勝っているのはボンズ(190センチの真鍋慧)の身長くらい(笑い)。同じ高校生だから何が起きるか分からないが、勝てるとしたら、引っ付いて引っ付いて接戦に持ち込んだら。向かっていくしかない」と謙遜しながら語った。

最速145キロ右腕の高尾は2日後に向け「気持ちで負けないように投げたい」と意気込んでいた。