第95回記念選抜高校野球大会の出場校が27日に発表される。21世紀枠候補で近畿地区推薦の小野(兵庫)は「甲子園で勝ち進む」ことをテーマに練習に取り組んでいる。

春夏通じて甲子園には出場していないが、北垣賢高(まさたか)監督(47)は冷静にチームを分析。「今年は戦力的に負けへん。最近は21世紀枠で出ても勝てていない。出られたら勝ちたい」と出場の先にある聖地1勝を見据える。15年松山東を最後に一般選考枠に勝てていないのが21世紀枠の現状だ。

今年は前チームからレギュラーを張った選手も多く、経験も豊富。主将の市橋慶祐捕手(2年)もその1人で、「経験が違う。今年は勝たないといけない。チームとしても甲子園で勝とうと思って練習に取り組んでいる」と自覚だっぷりだ。昨夏から投手に転向した右腕の藤井卓投手(2年)が実戦経験を積み、成長を遂げたのも収穫。昨秋の兵庫大会準々決勝では1点差の惜敗で近畿8強に進んだ社を苦しめた。

春に甲子園出場の可能性があり、例年とは違った冬を過ごす。市橋は「昨年の冬はしていなかった朝練を今年はするようになった。ノックやスイングの量も変わった」と明かす。甲子園で力負けしないチーム作りを進め、北垣監督も「例年以上に個々のスケールアップ、スキルアップは順調にきている」と自信をのぞかせる。

今月5日の新年初練習では学校近くの熊野神社にチームで初詣に出向いた。指揮官は「あとは神頼みです」と笑う。吉報を心待ちにするのは選手も同じ。市橋は「とても行きたいし、行ったときに選ばれるのにふさわしいプレーをしたい」とイメージを膨らます。公立の進学校が夢の聖地へ、準備は整った。【林亮佑】

◆小野 1902年(明35)に創立した県立高。48年、現校名に。生徒数870人(女子461人)。野球部は1922年創部で部員31人(うちマネジャー2人)。主なOBは元南海や阪神の山本晴三、元阪神の清水誉ら。甲子園出場はなし。所在地は小野市西本町518。加嶋幸彦校長。