注目の21世紀枠は氷見(富山)、城東(徳島)、石橋(栃木)の3校が選ばれた。

全国の候補校9校から、東日本1校として氷見、西日本1校として城東、残り1校は地域に関係なく石橋が選出された。

県立の氷見は93年春以来30年ぶり2度目のセンバツ出場、春夏通算で3度目の聖地となる。過去に富山からは21世紀枠での選出がなく、初となった。プロ注目の青野拓海投手(2年)が投打の中心。部員17人ながら、昨秋の富山県大会は猛打で優勝。北信越大会では8強入りした。地元の期待も大きく、地域の小中学生への普及活動も積極的に行っている。

県立の城東は、初の甲子園出場となる。昨秋の徳島県大会で4強入り。毎年、部員の半数が国公立大に進む進学校だ。マネジャー1人をふくめた部員は13人と限られた人数で、選手が練習メニューを考案するなど工夫している。女子マネジャーもノックを打つチームの一員。21年に他界した作家、僧侶の瀬戸内寂聴さん(享年99)の母校として知られている。

石橋は1924(大13)年創立で県立の進学校。16、20年に続く候補入りで“三度目の正直”での初出場となった。平日は2時間弱の練習で、グラウンドも他部活と共用する厳しい環境ながら、昨秋の県大会は4強入りした。野球教室にも力を入れている。

選出されなかった21世紀枠の候補校は稚内大谷(北海道)、由利(秋田)、木本(きのもと=三重)、小野(兵庫)、神辺旭(かんなべあさひ=広島)、高鍋(宮崎)の6校だった。

選考員の佐山和夫委員は「候補9校の活動は、それぞれ美しく、見るべきところがヤマとあった。3校にしぼらざるを得ないのが残念だった」。小野塚康之委員は「激論の末、氷見、城東、石橋の3校に決まりましたが、私自身も相当悩みました。氷見は選手、チーム、地域の熱を、城東は伝統がありアイデアを、石橋は選手の健康に配慮した先見性を感じました。自信を持って送り出す好チームの活躍を楽しみにしてください」とコメントした。

◆石橋 1924年(大13)創立の県立進学校。生徒数711人(女子328人)。野球部は1935年創部で部員37人。甲子園初出場。主な卒業生に小説家でタレントの室井佑月ら。栃木県下野市石橋845

◆氷見 1927年(昭2)氷見中学として創立の県立校。生徒数689人(女子356人)。男子ハンドボール部は全国屈指の強豪。野球部は1932年創部で部員20人。甲子園は65年夏、93年春の2度出場(ともに初戦敗退)。富山県氷見市幸町17の1

◆城東 1902年(明35)徳島県立高等女学校として創立の県立進学校。生徒数は826人(女子422人)。野球部は1996年創部で部員13人。甲子園初出場。主な卒業生に作家の故瀬戸内寂聴、元広島武内久士ら。徳島市中徳島町1の5

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