中村心澪(みれい)さん(3年=高松一)の伸びやかな歌声が、球児を包んだ。君が代を独唱し、自己採点は「120点です!」と笑顔。「人が多くて、球場に入ったら圧倒されました。気持ちよかったです」。歌い終わった後には、ホッとした笑みを見せた。

天候不良のため、1時間半遅れで始まった。「時間が延びた分、発声の練習が確保できました。落ち着いて、喉も体も起こせました」とプラスにとらえた。

リハーサルでは前髪をつくっていたが、この日はなし。「他の高校生の覚悟を見て、私も覚悟を持って臨もうと思って」とあえて変えた。21年に亡くなった祖父・勝さんの「甲子園で歌ってほしい」という願いをかなえた。将来の夢の「表現力豊かなオペラ歌手」に向けて、これからも歌い続ける。