広陵(広島)が不発のスラッガー真鍋慧内野手(3年)をカバーする逆転勝ちを決め、4強に進出した10年以来13年ぶりの春8強に駒を進めた。

苦しい展開を打破したのは7番中尾湊外野手(3年)。親戚の元西武監督・森祇晶氏(86)から助言を受けて臨んだ大舞台で、貴重なチャンスメークを連発した。山梨学院と専大松戸(千葉)はともに春夏通じて初の8強に進出した。

   ◇   ◇   ◇

優勝候補の広陵(広島)がからくも逆転勝ちで準々決勝に進んだ。

注目スラッガーの真鍋慧(けいた)内野手(3年)は不発だった。投ゴロ、一ゴロ、四球で迎えた7回の第4打席は、2死一、二塁と一気に突き放したい場面だったが、見逃し三振に倒れた。

「初球の甘い球を見逃したので、準備不足でした。とても悔しいです。自分の実力不足。悔しいけど、今日は勝たせてもらったので次はチームに貢献したい」と反省した。

初戦は3安打したが、まだまだ本調子ではない。愛称「ボンズ」の名付け親である中井哲之監督(60)は「最近はずっと『ポン酢』と呼んでいるんですよ。しょっぱいでしょう。そう言うとあいつは笑っていますけどね。ボンズが打つとチームが乗る。そろそろ打ってくれるでしょう」と期待した。

初戦で8回無失点と好投した高尾響投手(2年)は苦しみながら尻上がりに調子を上げ、2失点完投した。今大会最多、自己最多の155球を投げる熱投だった。2回に2点を先制されたが、我慢して味方の反撃を待った。

「あれ以上、点を取られないように切り替えました。みんなで守って、1点ずつ積み重ねてと話し合っていた。いけるところまでいこうと思った。少し疲れましたが、気持ちで投げ切れました」と充実の表情だった。

【写真多数】センバツスコア速報