札幌地区で昨夏甲子園出場の札幌大谷が23安打と打線が爆発し、31-0の5回コールドで野幌を下した。5番捕手の佐々木涼斗主将(3年)が、2本塁打を含む5安打9打点の大活躍でチームをけん引した。

まずは1回2死一、二塁の好機で先制の2点適時二塁打。左翼フェンス直撃のもう少しで柵越えという当たりを放った。「ファーストストライクはどんどん振りに行きたいという気持ちがあったので、ああいう打撃ができたのかな」。3回には左越えに公式戦3本目となる3ラン。5回には「自分としても完璧でうまく飛んでいった」と左中間に突き刺す2ランで、5安打9打点と荒稼ぎし、札幌大谷打線の軸となった。

昨夏の甲子園では5番捕手で聖地の土を踏み、4打数1安打。新チームでは主将を任されたが、昨秋は地区予選で札幌第一に4-8で敗れた。悔しさをバネに冬場はウエートトレーニングを中心に体を強化。1年前は80キロほどしか上げられなかったベンチプレスは107キロまでになった。登校前の朝や練習後の夕方に週2~3回、自主的に札幌市内のジムに通いトレーニングも積んでいる。

この日チームは23安打を記録。喜井琉翔中堅手(3年)、増田智紀二塁手(2年)にも1発が飛び出すなど選手層の厚さを見せつけた。船尾隆広監督(51)は「しっかり自分の打撃ができていたかなと思う」と選手たちを評価した。

春は16年の全道大会で3季通じて初めて優勝。しかし、センバツに出場した19年以来春の全道からは遠ざかっている。次は地区代表決定戦進出をかけて、札幌龍谷学園とぶつかる。佐々木涼主将は「目の前の敵を倒すということを目標に頑張ります」と気合を入れた。【山崎純一】