小樽地区では小樽明峰が小樽未来創造を9-2の7回コールドで破り、12年ぶりの夏1勝を挙げた。
おーたるのみなと、やまーはたを-。小樽桜ケ丘で、夏は11年以来、小樽明峰の校歌が流れた。中学で合唱部だった坂上漣音(れおん)右翼手(3年)の美声をバックに、同期の右腕エース煙山翔和(とわ)主将、副将の藤森蓮右翼手が奮起し、7回コールド勝ちで2回戦に駒を進めた。勝者の列の中央に並んだ坂上は、自慢のテナーボイスを響かせ、誰よりも大声で歌い上げた。「自分は声を出すのが担当。役割を果たせました」と満足げに言った。
2点先制され、マウンドで苦しい表情を浮かべる煙山には、右翼から「リラックス~」と叫んだ。エースは「坂上の声が聞こえて、落ち着いた」と、2回以降7回途中までを無失点に抑えた。ベンチに退いた終盤は、三塁コーチボックスから、打席に立つ味方に指示を送った。「坂上の声は誰の声よりも届くし、打てる気がしてくる」という藤森は、5回に右前安打でチャンスを広げた。
3人が1年生だった5月に「声がいいし、カラダが大きくてパワーがありそう」と、藤森が坂上を野球部に誘った。合唱部では北海道で金賞、全国で銅賞を獲得したが野球は未経験。坂上は「ダイエットになると思った。2年で2キロ減ったので成功」と笑う。
1年秋には部員が6人になり、連合チームに参加。週末に往復100キロ近い道のりを移動して練習する苦労も味わった。迎えた最後の大会。28日の2回戦は昨秋、今春と2季連続コールド負けを喫した小樽桜陽と対戦する。坂上は「明日も声で頑張って、流れをもっていかれないように」と、美声で勝利を呼ぶ。【中島洋尚】

