<高校野球愛知大会:愛知産大工5-3愛知産大三河>◇2日◇1回戦◇豊田球場

プロ注目の右腕、愛知産大工の天野京介投手(3年)はプロ7球団のスカウトが見守る中、9回124球13奪三振、6安打3失点と力投した。

姉妹校の愛知産大三河との対決で、高校最後の夏は幕を開けた。「(愛知産大)三河は甲子園にも出たことのある強豪と知っている」と相手を認識。来年春に校名が「名古屋たちばな高校」に変わるため「愛知産大工業」として最後の夏だ。「自分たちは、最後に甲子園に行くことが目標」と大会に臨んだ。

初回は先頭打者にいきなり四球を与えた。「初戦という緊張が一番大きかった。夏の大会という圧に少し負けた部分があって、今日のピッチングは20%ぐらいだった」と悔やんだ。

6回途中まで無安打投球と相手打線を封じた。96キロの緩いカーブから144キロの直球まで緩急をつけ、9回まで三振の数は13個だった。「結果的に、三振が取れました。三振を取りに行くという余裕がなかったです」と明かす。

ナインへの感謝の気持ちも忘れない。「後ろ(の守備)に助けられた場面が多かった。疲れはまったくなかったけど、最後にかけて『抑えないと』という気持ちが強くなっていった」。

鈴木将吾監督(47)は「姉妹校同士、やりにくいですよね。向こうもこっちもエース同士の投げ合いで、ピッチャーは代えませんでした。(天野は)力んで投げ急いでいた。スピードガンの表示を気にしていたのかな」と語った。

緊張の初戦。スタンドの大応援団の輪の中に、両親がいた。父伸也さん(50)は「僕も緊張します。京介は前乗りで宿舎に泊まっていたので、直接話せていないですけど、『いつもどおり頑張ってね』」と後押しした。

次戦は、豊橋西と半田農の勝者と対戦する。天野は「次からは、自分の気持ちをつくってからマウンドに上がりたい。仲間に感謝(の思い)と、自分は甘いコースが結構多かったのでコントロールに注視しなきゃいけないと」と課題を見つめ、快投を誓った。

◆天野京介(あまの・きょうすけ)2005年(平17)8月6日生まれ、名古屋市出身。八社小4年から篠原ジュニアで野球を始め、御田中では軟式野球の「西名古屋ベースボールクラブ」に所属。高校1年夏から背番号19でベンチ入り。2年秋に背番号1遠投105メートル、50メートル走6秒7。182センチ、86キロ。右投げ右打ち。目標の選手はパドレス・ダルビッシュ有。好きな有名人は山本舞香。