第105回全国高校野球選手権西東京大会が8日に開幕する。昨夏のコロナ辞退を乗り越え、専大付は10日に初戦(対立川国際中教校・都武蔵)を迎える。
突然の幕切れだった。昨年7月13日、初戦の2回戦で中大付を16-9の8回コールドで下した。その翌日、部員数人が体調不良を訴えた。あっという間にコロナ感染者が増え、同19日の3回戦は出場辞退となった。現3年生で唯一レギュラーだった主将・福田隼人捕手は「急に終わっちゃって、先輩ともうできないのかっていう思いが強かった」。新チームの始動にも2週間ほど時間を要し、「どうしようという雰囲気でした」と振り返る。
昨秋都大会は、予選の初戦で日大鶴ケ丘に0-13と完敗。その直後、「コロナ辞退」を引きずっていたチームを変える出来事があった。「俺はもう練習を見ない!」。当時の岩渕一隆監督(今年3月に退任)の叱責(しっせき)だった。選手が、練習場の換気を怠っていたことが原因。福田は「夏の辞退以降はコロナ対策をより強く意識してくれていたのに、自分たちがそれを怠ってしまった。皆で何回かミーティングをして謝りに行きました。その頃から全体の意識が変わったと思います」。チーム全体で気持ちを入れ替え、今春は都大会3回戦進出。今夏は16強入りを目標に掲げる。
前チームで主将だった清水利空内野手と副主将を務めた安芸健生内野手(ともに専大1年)は、夏に向かう後輩たちの練習を手伝っている。清水は「残された時間を真剣に野球に取り組んで、自分の全てを、最後に負ける瞬間まで出し切ってほしい」とエールを送った。実力を出し切ることなく最後の夏が終わってしまった先輩たちの思いも胸に、専大付ナインは最後の瞬間まで戦い抜く。【玉利朱音】

