岩瀬日大(茨城)は左右の両スラッガー、39発コンビの攻撃力で上位進出を狙っている。左の巧打者は、1年の春から4番を任される小林恵大外野手(3年)。180センチ、85キロの恵まれた体を生かし、高校通算15本塁打。長打力とともに、好機で勝負強く、三振は少なく出塁率が高いことも特長だ。石塚和之監督(56)も「ここぞという時に打ってくれる」と大きな信頼を寄せる。

右の大砲は、103キロの体重をバットに乗せたパンチ力が魅力の赤木龍之介内野手(3年)だ。高校通算24本を誇る5番打者。173センチと上背はないが、巨人中田翔に憧れ、常にフルスイングを心がける。昨秋県大会の常総学院戦では、初回に先制3ラン。2枚看板の1人である左腕・飯塚遥己投手(3年)から、右翼席に弾丸ライナーの一撃を運んだ。「自分のホームランは7割がセンターから右方向」と決して振り回さず、逆方向への飛距離にも非凡な才能を見せる。

2人は4月、昨夏の甲子園に出場した市船橋(千葉)との練習試合でアベック弾を放った。得点源同士の信頼は厚い。小林は「自分の後ろに(赤木が)いてくれることで、楽な気持ちで打席に入ることができる」と話せば、赤木は「ものすごい(打球を)飛ばす、頼れるバッター。(小林が)勝負されなかったら、自分が打ちます」とサポートを誓った。

茨城大会は8日に開幕する。岩瀬日大は13日の初戦で、石岡一と土浦一の勝者と対戦。大砲コンビが強豪ひしめく茨城の空に大アーチを描き、初の甲子園をたぐり寄せる。【村山玄】