<高校野球群馬大会:伊勢崎興陽4ー3前橋西・四ツ葉学園・玉村・尾瀬・下仁田・嬬恋>◇11日◇1回戦◇高崎城南球場
高校野球のドラマは、勝った者にだけ生まれているわけではない。日刊スポーツでは今夏、随時連載「君がらんまん」で、勝者だけでなく敗者にもスポットを当てた物語をお届けする。
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前橋西・四ツ葉学園中教校・玉村・尾瀬・下仁田・嬬恋と群馬史上最多の6校の連合チームで挑んだ夏は逆転サヨナラ負けであと1歩、及ばなかった。試合終了の瞬間、レフトの下仁田・桐生玲次外野手(3年)は静かに整列に加わった。「終わったなあと。今までで一番悔しい」と、うつむいた。
野球を始めたのは高2の春。それまでは柔道が本業だった。背負い投げを武器に中学時代は黒帯。高校入学後も柔道愛好会に所属した。だが「野球部の部員が1人しかいなくて、野球が好きだったから」と、柔道愛好会と兼部という形で野球を始めた。とはいえ、タッチアップなどのルールや戦術を全く知らなかった。
“野球の先生”はスマートフォンの野球ゲームだった。真剣に取り組みつつ、仲間や田部井雅行監督(35)に助言を求めた。「わからなければ人に聞く積極性が身についたかな」と野球部での成長を実感する。
最後の夏、安打は打てなかった。9回にエラーもした。だが「今日のベストプレーは」と聞かれると「捕手の三塁送球の時に、バックアップに行けた。最初は全くできなくてよく怒られてたけど、それが一番」。そう言うと、いつもの笑顔が戻った。【黒須亮】

