「N.を描く」が合言葉の日大二(西東京)が小平に3-1で逆転勝ちし、3回戦を突破した。0-1の5回2死三塁。4番崎山航輝内野手(3年)が左翼に逆転2ラン。1点リードの7回にも左翼へ本塁打を放ち、勝利を決定づけた。2打席連続弾に「どうにか逆転したいと思って振った。2本目の時は塁に出ることしか考えてなかったけど、打ててうれしかった」と声を弾ませた。

今年1月に就任した斉藤寛文監督(29)が掲げるチームのテーマは「N.を描く」。Nには逆境に負けず、はい上がっていくという意味が込められている。中学時代にシニア日本代表に選出され、中日柳らと世界大会優勝を経験し、社会科と英語の教員免許を持つ指揮官は「うちのユニホームには『N』が書かれてるでしょう? Nという文字(の書き順は)は上がって下がって最後は必ず上がってくる。Nの後の『.』には情熱と慈愛、感謝の3つの意味を込めてます」と説明した。

試合では序盤に苦しんだが崎山の2発で流れを引き寄せ、チームで『N.』を描いてみせた。斉藤監督から「助けてもらった」と笑顔で言われた崎山は「逆境でも乗り越えてN.を描いて行きたい」と言った。左胸に刻まれた「N」は、逆境に立ち向かう覚悟の印だ。【玉利朱音】

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