<高校野球京都大会:立命館8-1北嵯峨>◇20日◇4回戦◇わかさスタジアム京都
高校野球のドラマは、勝った者にだけ生まれているわけではない。日刊スポーツでは今夏、随時連載「君がらんまん」で、勝者だけでなく敗者にもスポットを当てた物語をお届けする。
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大型右腕が4回戦で散った。木瀬翔太投手(3年)擁する北嵯峨が立命館に1ー8で7回コールド負けした。木瀬は、4点ビハインドの3回2死一塁から登板。味方の失策などでさらに2点を追加されたが、5回に3者連続三振を奪うなど本領を発揮。3回2/3を投げ、3失点。相手の勢いを止めることができず、暑い夏は終わった。
「1年の頃は、野球を諦めようとした時期もあった」。試合後、涙をこらえながら振り返った。結果が出ず、苦しい思いをしたこともあった。そんな彼を救ったのが、チームメートだ。コミュニケーションをとることで、つらい思いは消え、野球に打ち込むことができた。だからこそ木瀬は、「このチームを甲子園に僕が連れて行きたい」という強い気持ちがあった。今後の進路が注目されるが「自分の進路よりかは1球でもみんなと野球がしたいという思いでやっていた」。自分を救ってくれた仲間に恩返ししたかった。
「負けない投手になる」。この日の敗戦を胸に、次なる目標を掲げた。それをかなえることがチームへの恩返しにつながる。【奥谷爽】

