ミラクル勝利! 京都大会準々決勝では18年以来の夏の甲子園を目指す龍谷大平安が劇的勝利を収めた。京都成章に9回2死まで無安打に封じられたが、土壇場で同点に追い付くと、タイブレークの10回に松浦玄士(げんし)捕手(3年)がサヨナラ打を放った。

球場がドッと沸いた。延長10回のタイブレーク。無死満塁。途中出場の松浦が4球目をつかまえて左前へサヨナラ打を放った。「5年前の100回大会で平安の100勝を見た」と話す正捕手は、同校の歴史に名を残すような一打に右手を突き上げてガッツポーズ。しぶとい打撃で試合を決めた。

9回2死まで京都成章の左腕・田崎にノーヒットに抑えられていた。9回に先頭四球から2死二塁とすると、4番・山下慶士(けいと)外野手(3年)が内側の直球を振り抜き、左前へチーム初安打。左翼手の送球がそれる間に、二塁走者が生還し、同点に追い付いた。4番は「初めてチームに貢献できた」と二塁ベース上で涙。土壇場から息を吹き返した。

サヨナラ打の松浦は、そのかわいらしい風貌からチーム内で「ドアラ」の呼び名で親しまれている。原田英彦監督(63)から名付けられたもので「(監督から)試合中にあだ名で呼ばれたら少し気が楽になります。もともとあだ名はコアラで、ベンチ入りした去年秋にドアラになった」と笑った。

原田監督も「松浦は自分でテンションを持っていける子。常ににこにこしてるかわいい子なので、絶対打つと思いました」とうれしそうだ。奇跡的な勝利で4強に進出。春夏連続の甲子園出場へあと2勝に迫った。松浦は「もう1度甲子園に行っていい成績を残したい」。この勢いで夏の聖地まで突き進む。【中島麗】