県内屈指の進学校、長田が3年ぶりとなる秋の県大会8強入りを決めた。

序盤から得点を奪い合う展開。流れを止めたのは京大志望の松崎和真投手(2年)だった。3-2の4回からマウンドに上がると球威で押した。走者を許しても後続を断ち、スコアボードに0を並べた。「今日はボールにスピンをかけることを意識した。相手打者とのズレを生み出せた」。6回2安打無失点で勝利をたぐり寄せた。

昨秋と今春では背番号1を背負ったが、相次ぐケガでその座を奪われた。春には右太もも肉離れ、8月には左脇腹を痛めた。それでも「ケガは治る。反骨精神に突き動かされた」とフォームの見直しに着手した。「ケアをしている時はできないことが多かったけど、やりたいことができた」と動画で研究。その結果、「体の使い方が甘かったが、指のかかりが良くなって、コントロールも安定した」と成長につなげた。

京大志望で、模試では学年で上位1割に入る。「何でこうなるかという根拠を大事にしている」。概念の理解が最優先だ。

秋の県大会8強入りは20年以来3年ぶり。目指すは21世紀枠で甲子園に初出場した16年センバツ以来の聖地だ。選手間では「自力でセンバツ」と自発的に声があがる。松崎も「先輩が甲子園で校歌を歌えなかったので校歌を歌いたい」と先輩超えの聖地1勝を大目標に掲げる。

今春から指揮を執る相田真宏監督(38)は「彼らは大ざっぱなところもあるが、勝負どころを分かっている。まずは近畿大会1勝と言っている」。秀才軍団が勝利を積み重ねる。