帝京長岡と日本文理が決勝に進出し、北信越大会(10月14日開幕、福井)出場を決めた。

日本文理は延長10回タイブレークで関根学園を5-1で下し、秋は2年ぶり決勝進出。1-1の10回表無死満塁、代打の小川翔大内野手(2年)が走者一掃の三塁打を放ち、試合を決めた。決勝、第3代表決定戦は24日、三条パール金属スタジアムで行われる。

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小川は三塁ベース上で少し跳びはねて喜んだ。9回裏に1-1に追いつかれて迎えた、延長10回表、無死一、二塁からのタイブレーク。前を打つ5番名古屋飛来三塁手(2年)が四球を選び満塁。代打で登場した小川は4球目をたたいた。高めに浮いてきたカーブを右中間へはじき返し、走者一掃の三塁打を放った。「ずっと(出番を)待っていた。タイブレークで回ってくれば、打てる自信があった。完璧でした」。喜んだ後は勢い余って三塁ベース上で転倒も、小川の一打がチームを決勝へと導いた。

先発の丸山慶人投手(2年)の熱投が10回の攻撃に勢いをつけていた。1-0の9回裏。自身初の完封を目指してマウンドに上がったが、同点に追い付かれ、なおも無死三塁。絶体絶命のピンチにもエースは動じなかった。後続を遊ゴロ、空振り三振で2死とし「絶対甘く入らないように細心の注意を払って」と最後の打者は外角低めに直球を投げ込み、見逃し三振を奪った。「疲れは特になかった。(10回の攻撃は)小川を信じて『打ってこい』と伝えた」と仲間に思いを託して、勝利をつかみ取った。

決勝進出で上位3校に与えられる北信越大会への出場権を手にした。鈴木嵩監督(43)は「北信越に出ることがテーマだったが、たった今から(県王者)奪還に変わった。しばらく負けてばっかりなので、今度は優勝のために。そんな日にします」。5年ぶりに秋優勝を果たし、新潟県1位で北信越に乗り込む。【大島享也】

○…関根学園は敗れはしたが、6番谷島優輝左翼手(2年)が意地を見せた。

0-1の9回裏無死一塁、右越えの同点三塁打で延長タイブレークに持ち込んだ。「とにかくうれしかった」。2回戦の十日町戦後、地元の富山に住む祖母が亡くなった。悲しみの中、3回戦以降に放った安打は2本とバットは湿りがちだったが、土壇場での1本に手応えをつかんだ。北信越大会代表の最後の1枠を争う今日24日の開志学園との第3代表決定戦、「気持ちを切り替えて勝つだけ」。祖母に勝利を届けることを誓った。

◆北信越大会 24日には決勝戦と第3代表決定戦が行われ、上位3校は10月14日から福井県で開催される北信越大会(16校出場)に進出する。来春のセンバツ選考への参考資料となる大会で、北信越のセンバツ出場枠2を目指す。組み合わせ抽選は10月6日に行われる。