関根学園(新潟3位)が高岡商(富山1位)を2-1で破り、秋は20年以来、3年ぶりの準々決勝進出を決めた。0-1の8回表に1死から3連続長打で2点を奪った。1-1とした1死三塁では7番・大平慈温一塁手(2年)が左中間に三塁打を放って勝ち越した。

大平は繰り返し右の拳を突き上げた。滑り込んだ三塁上から一塁側ベンチのチームメートをあおった。7回裏に先制され、迎えた8回表の攻撃。1-1とした直後の1死三塁。内角低めの直球を左中間に運んだ。「打ててほっとした」。派手なガッツポーズとは裏腹に、安堵(あんど)感でいっぱいだった。

この回、1死無走者から5番・片桐優三塁手(2年)が左翼線二塁打で出塁すると、6番・谷島優輝左翼手(2年)の右越え三塁打で同点。ベンチの盛り上がりが最高潮に達した中で打席に入った。初球、スクイズをファウル。すると、「自分を信じてバッティングをしろ」とベンチのチームメートから声が飛ぶ。「あれで気持ちを切り替えられた」。プレッシャーがかかる場面、仲間に助けられ、結果で応えた。

安川巧塁監督(31)は「よく長打がつながってくれた」とたたえた。大平は県大会準決勝の日本文理戦、同じように9回裏に1-1に追い付いた直後、遊ゴロに倒れていた。チームは延長10回タイブレークの末、1-4で敗退。当時はフォームが崩れ、体の開きの早かった。北信越大会に向けて全体練習後にティー打撃、寮に戻ってから20分の素振りを欠かさなかった。「自分の1本で次に進めて良かった」。殊勲の一打は練習の成果だ。

関根学園にとっては西武・滝沢夏央(20)を擁して準決勝に進出した20年以来の秋の初戦突破。15日、4強入りを懸けて戦う日本航空石川(石川2位)は、北信越大会初出場だった16年秋に1-6で敗れた相手でもある。「大事なところで1本を打ちたい」。大平は決勝打の再現を誓った。【斎藤慎一郎】

 

○…背番号10の鈴木興丞(こうすけ、1年)が公式戦初完投。5安打1失点、9三振を奪う堂々の投球内容だった。味方打線が押しながら得点できない中で、7回裏に1点の先制を許した。それでもマウンド上では笑顔を見せ「先輩たちが打ってくれると信じていた」と粘り強く投げた。イニングを締めるたびに、ほえながらガッツポーズ。「チームの雰囲気を良くしたかった」。気持ちを前面に出して投げ抜いた1年生が初戦突破の原動力になった。