1年秋から4番を務めた聖光学院の主砲、三好元気外野手(18)が東都大学2部リーグの立正大へ進学する。練習見学で感じたチームの雰囲気や強豪で野球を続けたいという気持ちが決め手となった。三好元が3年間を振り返り、二人三脚で歩んできた双子の弟力生内野手(18)の支えが不可欠だったと語り、新天地での活躍を誓った。

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甲子園のライバルと「日本一」を目指す。聖光学院は22年夏の甲子園準決勝で仙台育英(宮城)と対戦。4-18で迎えた9回2死一塁、三好元に打席が回ってきたが、仙台育英・仁田陽翔投手(18)の前に三振を喫した。その後、同大を受験した仁田と試験の際に再会し、意気投合。ともに合格し、今では連絡を取り合いながら一緒にプレーすることを心待ちにしている。次は新天地で仁田とともに高校ではかなわなかった「日本一」の夢をかなえる。

3人で約束を交わし、聖光学院の門をたたいた。三好元は中学では弟力生、片山孝内野手(18)とチームメートだったが、3人ともレギュラー外。三好元は「試合に出ていなかったので、野球が楽しいとは思えなかった。チームメートを応援する気にすらならなかった」。片山の兄敬内野手(4年=武蔵大)が聖光学院だったこともあり、3人で入学を決意。「3人でレギュラーを取って甲子園に出よう!」と誓い合った。

入学後、頭角を現した三好元は1年秋から4番としてチームの主軸に。だが、強豪校の4番という立場に重責を感じ、チームが負ければ「自分のせいで負けた」と自責の念を感じていた。そんな時に支えてくれたのが弟だった。「力生の方が打撃技術があったので憧れの存在だった」。だが、3年間の集大成となる昨夏、弟の姿はスタンドにあった。弟の思いも背負い、三好元はプレー。「応援してくれる誰かのためにプレーをしたのは初めてだった。中学時代は応援する気にもなれなかったので(レギュラーになれなかったのも)当たり前の結果だったと思う」と振り返った。三好力は日体大へ進学。これからは別々の道へと進むが、離れていても心はひとつ。それぞれの場所で輝き続ける。【木村有優】

◆三好元気(みよし・げんき)2006年(平18)1月18日生まれ、神奈川県川崎市出身。小2年時に坂戸第一ドジャースで野球を始め、中学では武蔵リトルシニアでプレー。聖光学院では1年秋に公式戦デビュー。2年夏の甲子園では日大三戦で本塁打を放つなど、チーム初の4強に貢献した。175センチ、75キロ。右投げ右打ち。