さあ、100年を迎えるセンバツが始まる。

1924年(大13)の第1回大会から、ちょうど1世紀。第96回選抜高校野球大会は18日、甲子園で開幕する。17日には開会式のリハーサルが行われた。大会初日の第2試合では21世紀枠で76年ぶり3度目出場の田辺(和歌山)が、昨秋の明治神宮大会を制した星稜(石川)と激突。76年ぶりの白星を金星で飾るべく、投打の軸が決戦前日の心境を語った。

   ◇   ◇   ◇

小雨が降り注ぐグラウンドで、田辺ナインは黙々と決戦に向けた最終調整に臨んだ。甲子園での開会式リハーサル後に兵庫・西宮市の鳴尾浜臨海野球場で約1時間の練習を敢行。エースの寺西邦右(ほうすけ)投手(3年)はマウンド上で直球を中心に投球練習を行い、「自分の思い通りの球は何球かあったので、本番は何とかなると思います」と自信をのぞかせた。

最速139キロの直球を誇る右腕は、昨秋の県大会で初戦から準決勝まで5試合連続で完投勝利を挙げた。星稜打線はYouTubeなどで分析済みで、「つないでくる野球だと思うので、連打を浴びないように」と引き締め「自分が最少失点で抑えたら打線が打ってくれると思う。1、2点で抑えたい」。快投で勝機を呼び込むつもりだ。

4番には高校通算5本塁打ながら、昨秋県大会の市和歌山、智弁和歌山と強豪相手に本塁打を放った山本陣世内野手(3年)がどっしりと座る。勝負強さが光る主砲は「チームのために打ちたい」と智弁和歌山戦のグランドスラム再現を誓った。先発が予想される星稜のエース左腕、佐宗翼投手(3年)については、打ち崩すイメージは「頭の中ではできています」と目をギラつかせた。

田中格監督(51)は「相手が強豪校だからというのは関係ない。平常心で自分たちの野球をしよう。よそ行きの野球はやめよう」とナインに伝えた。21世紀枠の出場校は初戦6連敗中と苦戦が続くが、優勝候補相手に番狂わせを起こし、76年ぶりのセンバツ白星をつかみ取る。【古財稜明】