八戸学院光星(青森)が、昨秋の明治神宮大会を制した星稜(石川)に2-3の惜敗。先発したエース左腕の洗平比呂投手(3年)が初回に2失点を喫し、いきなり主導権を握られたが、0-2で迎えた3回2死満塁で4番山本優大外野手(3年)が中前2点適時打。神宮優勝投手の相手エース左腕・佐宗翼投手(3年)から、山本の適時打を含む7安打を挙げる意地を見せた。

4番の一打が堅守を崩した。2死満塁という絶好のチャンスで打席に立った山本は「前のバッターたちが塁に出てくれたので、『返す』という気持ちだけで打席に立ちました」。2球目の内角直球を狙い打ち。ピッチャー返しの鋭い打球は二遊間を突き破る同点適時打となった。試合を振り出しに戻した山本は一塁上で力強くガッツポーズ。「ベンチの期待に応えられた。『やった』という気持ちでガッツポーズしました」と振り返った。

小さい頃は恥ずかしがり屋だった。母慶子さんは「恥ずかしがり屋で、自分から前に出るタイプではなかった。だから4番でやるっていうのが、なんかもう信じられなくって」。1回戦では1-2で迎えた9回に、先頭打者として左前打で出塁。タイブレークにつながる一打で勝利に貢献した。そしてこの日は、同点適時打。母慶子さんは、「甲子園でプレーするっていうのが小さい頃からの夢やったんで。そこで打ってくれるっていう…。もうすごく感動しました」。息子が塁上でガッツポーズする姿に思わず涙を流した。

昨秋の東北大会決勝では青森山田にノーヒットノーランを食らった。「打の光星」が、前評判では「ピッチャーがいい」と言われていてることに悔しさもあった。「ピッチャーを助けよう、打撃を見せてやろうという思いだった。自分が『バッティングを引っ張ろう』って思いでずっと冬場やってきた」。「打の光星」で4番を任されるということにプレッシャーはあったが、「そこに負けていたら勝ち続けられないので。練習から自信をつけている」。恥ずかしがり屋の少年は、自信あふれる4番になった。夏に向けて、「あの1点が、あのエラーがというのがないように。自分たちのできることを精いっぱいやっていきたい」。この経験を糧に、任された役目にさらに似合う男になる。【濱本神威】