佐々木力監督(58)が郁文館(東東京)の監督として、うれしい夏初勝利をつかんだ。20年まで監督を務めた常総学院(茨城)を春夏通算6度甲子園出場に導き、24年1月1日付で同校の監督に就任した。
「常総の場合は相手チームを研究する時間があったり。ただ、今回はもう何もない状態から」。経験豊富といえど新天地での監督業に多少の戸惑いがあった。それでも「選んだのは私なので」。覚悟を持って夏の大会に挑んだ。
迎えた夏の初戦。初回から小刻みに得点を重ねるも5回に追いつかれ、7回に3点を勝ち越される苦しい展開。だが、直後の7回裏に1死二、三塁から主将で4番の西中晴樹捕手(3年)の2点適時打で1点差に迫ると、なお2死一、二塁で小島伸義内野手(3年)が打席に立った。「逆方向にっていう佐々木監督の日頃からの教えを思い出して」。捕逸で二、三塁としてから右中間へ2点適時三塁打を放った。
佐々木監督は「木内マジック」と称された采配で、日本一に導いた木内幸男氏(享年89)の後任として常総学院の監督に就任。「木内監督が言ってましたけど、流してアウトになるとバッターとしてはもったいない。引っ張ってアウトになっても、もったいないとは思わない」。恩師から授かった打者心理を生かして、練習で逆方向への打球を意識させてきたことが、大事な場面で結果に表れた。
「もしかすると上まで行けるぐらいの実力がある」。新生郁文館が今夏東東京のダークホースになる。【水谷京裕】

