「黒潮打線」で全国制覇した夏から50年。復活を目指す銚子商(千葉)が、伝統の「大漁節」を球場に響かせた。

自称「銚子商マニア」が猛打の流れを生んだ。初回2死二塁、4番佐藤宏樹外野手(3年)が狙い通りの直球を捉えた。先制の右越え適時三塁打で打線を勢いづけ、13安打11得点の6回コールド勝ちに導いた。

黒潮打線復活を目標に掲げる。小2から野球にのめり込んだ。プレーだけでなく、YouTubeを見て、雑誌を読みあさった。そんな野球少年の心を射止めたのは銚子商だった。「県内で一番甲子園に出ている高校。ここに絶対に行きたい。しばらく甲子園から遠ざかっているけど、自分が打って甲子園に連れて行きたい」。何度も50年前の動画を見て、黒潮打線を目に焼き付けた。「銚子商以外では野球はやらない」と熱い思いを胸に入学した。

主砲を任された春の県大会では、調子が上がらなかった。銚子商の4番がこれでいいのか。悔し涙を流しながら、バットを振った。「お前なら大丈夫だよ」。仲間の声が、佐藤を生き返らせた。打撃フォームの分析など、夜遅くまで自主練習に付き合ってくれた。母さな江さん(53)は「銚子商に入ってから1度も弱音を吐いたことがないんですよ」と、たくましく成長している姿に目を細めた。

沢田洋一監督(43)は「地域も学校も盛り上がっている。あらためて全国的に知られるチームなんだと私も選手たちも感じている」と思いを明かす。銚子商プライドで、復活の階段を駆け上がる。【保坂淑子】

◆黒潮打線 銚子は南から流れる黒潮に北からの親潮がぶつかる場所のため、魚が途切れない全国屈指の好漁場と言われる。74年(昭49)夏、銚子商が3年生でエースの土屋正勝(元中日、ロッテ)2年生で4番を打った篠塚利夫(元巨人)を擁して全国制覇。決勝の防府商(山口)戦までの5試合で計29得点を奪う安打が途切れない打撃が「黒潮打線」の異名を取った。