<高校野球千葉大会:西武台千葉13-0わせがく>◇12日◇2回戦◇船橋市民球場

5回コールド負けにも、黒川に涙はなかった。西武台千葉戦に先発すると、先発して0/3回を投げ2四球1暴投で2失点。1回途中で中堅の守備につき、4回途中から5番手で再びマウンドへ。2/3回を1安打2四球1暴投で、2失点。それでも「強い球を冷静に投げられた」と胸を張った。

成長を示すマウンドだった。2年前の7月11日、初戦の千葉学芸戦で、県記録を塗り替える0-82で大敗した。先発したのが黒川だった。1/3回を5安打6四球11失点。「悔しかった」。すぐに東京学館船橋で監督を務める父敏行氏(58)に「気持ちを入れ替えて野球をやる」と誓い、体作り、フォームの研究に没頭。現在は140キロ近い球を投げられるようになった。

野球を始めたのは、兄でロッテ育成内野手の凱星(かいせい)の影響だ。小6で国の難病指定の潰瘍性大腸炎を患い、治療の影響でほとんど中学に通えなかった。そんな時、兄が外に連れ出しキャッチボールの相手をしてくれた。「兄の存在の大きさに初めて気づいた。自分もやればできるかな」。野球を本格的に始めると、少しずつできることが増え自信がついた。通信制のわせがくに進学。野球が人生を変えてくれた。

夢がある。兄と同じ、プロ野球選手になることだ。「苦しいことばかりでしたが成長できた3年間でした」。明日から、再び夢に向かって歩き出す。【保坂淑子】

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