履正社は背番号4のアンダースロー右腕・辻琉沙(りゅうさ)内野手(2年)が先発し、7回3安打無失点と快投した。打線は4回まで無得点だったが、5回に田中日和大(ひなた)内野手(3年)が右翼線へ適時二塁打を放って先制。7回にも近沢賢虎(けんご)外野手(3年)の右前適時打で追加点を入れるなど、計5得点で4回戦に進出した。

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堂々たるマウンドさばきと背番号4がどこかミスマッチだ。アンダースローながら、履正社・辻のイメージは「上からたたく」。“参考資料”は巨人高橋礼だという。自己最速は130キロ。変則と球速を両立させたフォームからテンポよく投げ込んだ。とても内野手とは思えない快投だった。

朝に先発を告げられた。「3年生は最後の夏。絶対に抑えて絶対に勝ってやる」。高校の公式戦初登板初先発。7回をわずか77球でまとめた。2、4、5回はそれぞれ1イニング8球斬り。肌が焼けるような日差しが照りつける中、疲労を問われると「全然大丈夫」と涼しい顔で答えた。実は中学3年時はU-15日本代表に選ばれ、メキシコでキューバ代表を6回2/3無失点に抑えた実績もある。「緊張はなかった」と明かし、多田晃監督(46)も「安心して送り出した。不安はなかった」と納得顔だった。

初戦は「7番二塁」で先発。辻は今後へ「二刀流でいきたい」とイメージした。「コントロールを良くして、持ち味であるけん制やフィールディングを生かして、スコアボードに0を並べられるピッチャーになりたい」。この日は犠打の打球も巧みに処理。打者としては2四球を選び、盗塁も成功させた。「持ち味は足なので盗塁はどんどん狙いたい」と力を込めた。

8回から登板した2番手の徳山翔守(かしゅう)投手(2年)も2回を無安打無失点。チームは初戦の2回戦から計14イニングで1点も許していない。2戦ともエース高木大希投手(3年)の温存に成功。分厚い投手層を武器に、酷暑の夏を勝ち上がる。【塚本光】

◆辻琉沙(つじ・りゅうさ)2007年(平19年)8月3日生まれ、滋賀県多賀町出身。年長から多賀少年野球クラブで野球を始め、多賀小5、6年時には全国2連覇。6年時に阪神タイガースジュニアに選ばれる。小学生の頃からアンダスロー。多賀中では野洲ボーイズに所属。3年時はU-15日本代表で健大高崎・佐藤龍月(りゅうが)投手(2年)らと同僚。中学までは主に投手。履正社では1年夏から背番号14でベンチ入り。夏の甲子園にも出場。50メートル5秒98。172センチ、72キロ。右投げ右打ち。

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