花咲徳栄が優勝した。日を追うごとに強くなった。応援スタンドも同じだ。
同点に追いつかれての延長タイブレーク、10回表。その攻撃前にアルプスの3年生たちが大きなボードを持ち、内野席やネット裏方面に掲げた。
「観客のみなさん 僕たちと一緒に声援を送って下さい」
思いを込めて堂々としたためたのは、ベンチメンバーには入れなかった藤原侑介内野手(3年)だ。
「緊迫した場面になったら応援の力って、絶対に必要だと思うので。アルプス以外でも応援していただければうれしいなと思いました」
大量リードを追いつかれた準々決勝・西武台戦の後に、このボードを作ることを決めた。岩井隆監督(54)も「それ、知らない」と部員たちが自主的に行ったことだった。
掲げてみて、その後は応援団のメンバーがなぜか観客に向かって「島人(しまんちゅ)の宝」を歌い、合唱を促し、一体感を作ろうとした。その結果
「たくさんの人が盛り上がって、それまでよりも大きな声で応援に参加してくれて」
迫力が増した声援は、グラウンドにもしっかり届いていたという。三塁コーチャーの岩井福外野手(3年)も感激していた。
「もちろん試合の最初からすごかったですけど、タイブレークの時はもっとすごくなって。本当に僕たちの力になりました」
生徒約700人も駆けつけた。吹奏楽部員も熱い中、演奏しきった。トランペットの男子生徒はふらつきながらも「西武チャンステーマ4」のファンファーレを高らかに奏でた。
この春、吹奏楽部にベルーナドームでの西武戦で演奏機会があり、西武ファンの間で得点が入りやすい“魔曲”とされるチャンステーマ4を、自校の応援に本格的に導入した。
男声パートと女声パートが入り組んだ応援歌で、大会中盤はほとんど誰も歌えていなかった。しかし保護者たちが「一緒に盛り上がりたいから」と大会中、自主的に歌詞カードを作成。決勝では「歓声浴びていざ行け♪」「歓声浴びて今♪」など完璧に歌い分けられていた。
花咲徳栄伝統の応援歌「サスケ」もチャンスでは多用され、壮絶な打撃戦を一体で制した。【金子真仁】

