青森山田が99年夏、今春センバツと阻まれてきた8強の壁を、ついに越えた。0-0で迎えた7回2死三塁、打席には今大会ここまで8打数無安打の5番吉川勇大内野手(3年)が立った。3球目、高めの直球を振り抜いた待望の左前打は、決勝適時打となった。「仲間があの場面でつないでくれた。本当に感謝したい」。力いっぱいのガッツポーズで、ベンチに満面の笑みを向けた。

復調の予感はあった。第1打席で左飛に終わり「ヘッドが出てきていなかった」。84センチ、890グラムの木製バットから、2打席目以降は40グラム軽いバットに持ち替えた。第2打席はライナー性の左飛。アウトにはなったが納得の当たりだった。

新基準の低反発バットに移行後、木製バットを使い続けた。センバツでは3試合で12打数5安打と結果を残したが、夏は安打が出ない。焦りもあったが「とにかく気持ちを切らさず『我慢、我慢』って自分にも言い聞かせていた」。打撃投手を務めるメンバー外の選手が「次は打てるぞ!」と声をかけてくれた。仲間の存在に支えられてきた。

復調の5番打者は「(ここから)変わらないとダメですね」と笑った。きっかけは、つかんだ。チームの歴史を塗り替え、日本一へ突き進む。【浜本神威】