またも壁にはね返された。第106回全国高校野球選手権大会(甲子園)の準決勝で、神村学園(鹿児島)は関東第一(東東京)に惜敗し2年連続4強に終わった。
1点を追う9回2死一、二塁から代打玉城功大外野手(3年)が中前打。だが、中堅手のスーパーバックホームで二塁走者、岩下吏玖内野手(3年)が本塁憤死。まさかのゲームセットとなった。エース左腕、今村拓未投手(3年)は8回2失点の力投も勝利に結びつかなかった。
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悲願の4強超えは大会屈指の堅守に阻まれた。1点ビハインドの9回に意地を見せた。連打でチャンスを得た2死一、二塁。ここで代打の切り札、玉城が値千金の中前打を放った。二塁走者の岩下は「リードは完璧、スタートも完璧、何も間違いはなかった」と本塁に頭から飛び込んだ。
だが、相手中堅手のスーパーバックホームで本塁憤死。「まさかボールが来ているとは思いませんでした」とうなだれた。岩下は準々決勝大社(島根)戦で放った三塁打の際、三塁ヘッドスライディングで左肩を痛め肩が上がらなくなっていた。痛みがあり、頭から突っ込まないつもりだったが「体が勝手にやった」と勝利への気迫で飛び込んだ。だが、執念はあと1歩届かず。次打者席の今村は天を仰いで悔しがった。それでもエースは「最後まで神村らしい粘り強い執念を見せれたと思います」と胸を張った。
幸先よく4回に先制した。だが、6回まで無安打無失点の今村が「相手も2巡目、3巡目ってなってくると対応してきて、対応力が上だった」。右翼線に初二塁打を許し2失策も絡み7回に逆転された。今村は大社戦で3回0/3で2失点KOされ、リベンジ登板だった。だが、小田大介監督(41)が「悔しさを持って、逆にいい投球をしてくれると思う」という期待に応えられなかった。
昨夏4強超えの初決勝&初V、鹿児島勢としても94年樟南の準V以来、30年ぶりの決勝進出を逃した。小田監督は「私たちが作りたかったのは2年連続ベスト4じゃなくて、鹿児島初の優勝だったので…。本当に悔しいです」と泣いた。投手陣整備に課題は残った。だが、驚異の打線で5戦計28得点。収穫と課題の夏になった。【菊川光一】
▽神村学園・小田監督(9回岩下激走のタイミングについて)「あそこは(二塁走者を三塁で止めず)回すべきだと私は思う。よく回してくれたし、よく走ってくれた。本当にボール1個分。やっぱり勝負は0・1秒、紙一重のところで争われていると思う。お互いすごくいいプレーだった」
▽神村学園・上川床(4回2死二塁で先制タイムリー)「浮いたボールというか、カウントもバッター有利だったので、とりあえずベルトから上に来たボールを思い切ってスイングできた。若干先っぽやったんですけど、抜けてくれたって感じ」

