<全国高校野球選手権:京都国際2-1関東第一>◇23日◇決勝
「早くお父さんに『日本一取ったよ』と伝えたい」。三谷は息子の甲子園出場が夢だった亡き父の思いを胸に聖地で躍動した。10回無死満塁から放った右犠飛で勝負を分ける1点を入れた。
中学3年だった21年春に父健一さん(享年52歳)がくも膜下出血で倒れ、約1カ月意識が戻らずに他界。三谷は父について「野球が上手とお葬式の時にいろいろな方に教えてもらった。本当に尊敬している」と話す。毎日のように一緒に練習し、小柄な体形を生かす小技や打ち方を多く教わった。「お前ならやれる」と毎日言い続けてくれた。
父が死去した後も三谷は前を向き「父の思いも背負って甲子園に絶対出るぞ」と野球に打ち込んだ。母千恵さん(49)は「シニアの練習は必ず休まずに行ってた。よう頑張ってた」と振り返る。今春のセンバツで念願だった聖地でプレーも、無安打で悔しい結果に。今大会はセーフティーバントを決めるなど、打率3割6分と活躍。小牧憲継(のりつぐ)監督(41)は「今年の京都国際を象徴する選手」と評価し、父の教えが聖地でも生かされている。
母は「亡くなった旦那のために甲子園に行くって、約束していた」と感激。優勝を決め「なんでもいいから打って欲しかってん。よかった。めっちゃうれしかった。(夫も)めっちゃ喜んでると思う」と涙。三谷も「1人で育ててくれたので、『ありがとう』と一番に伝えたい」と語った。【塚本光】

