花咲徳栄(埼玉1位)が甲府工(山梨2位)を6回コールドで破り、5年ぶり6度目のセンバツ出場を確実なものとした。かつて柔道家として世界を知る母の薫陶を胸にエース黒川凌大投手(2年)が初戦の完投勝利に続く、3安打完封で勝利に導いた。元阪神の麦倉洋一監督(54)率いる佐野日大(栃木1位)は駿台甲府(山梨3位)に8回コールドの快勝で来春センバツ出場を決定づけた。

   ◇   ◇   ◇

黒川が2試合完投勝利で心身ともに、その強さを発揮した。初戦の法政二(神奈川)戦は12安打9失点ながら176球完投。中1日で登板したこの日は、6回3安打無失点。「前回はコントロールと四死球(7個)が多かった」と投球の際の猫背を修正。「胸を開くこと、体を大きく使うことを意識しました」と連投の疲れも見せず四死球はわずか1。見違える投球で79球で投げきった。

類を見ない体の強さは母譲りだ。母琴美さん(57)は元柔道家で、現役時代は72キロ級の選手として85年にアジア選手権で優勝するなど活躍した。「体の強さはお母さんからきています」。野球を始めると、トレーニングや栄養バランスの取れた食事などでサポートしてくれた。

メンタル面も母の指導で成長した。琴美さんは「凌大は小さい頃からおとなしくて引っ込み思案だった」。上三川ボーイズでは、大きな声が出ず度々メンタル面の弱さを指摘され、知り合いの心理カウンセラーに会わせた。「そのとき言われたのが『恥をかきなさい』だったんです」と琴美さんは当時を振り返る。

黒川 お母さん、恥をかいていいんだね。

琴美さん 失敗しても誰も笑わないよ。成長につなげられるから無駄なことはないよ。

負けを怖がらない。黒川は積極的にプレーし、チームメートにも声をかける、頼れるエースに成長した。

野球で母を超える。「1戦必勝でやっていきたい」。次は関東大会優勝だ。【保坂淑子】

佐野日大と花咲徳栄がコールド勝ちで4強 センバツ当確/関東大会詳細