大阪桐蔭が7-3で智弁学園(奈良)を下し、22年以来4年ぶり、春夏通算10度目の優勝を決めた。

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入社式前日に神奈川から駆けつけた大阪桐蔭前主将・中野大虎(だいと)投手(18=ENEOS)が、アルプスで約束の日本一に感極まった。「『先生、日本一の景色を見してください』と伝えていたので本当にうれしい」。後輩は帽子のつばに中野のモットー「魂」の文字を記していた。「『俺が決めてやる』というチームになった」と成長に目を細め、主将・黒川虎雅(たいが)内野手(3年)へ「僕の魂をつないで、春の日本一を取ってくれてありがとう!今日は祝って、明日から夏の日本一へ頑張れ!」と喜んだ。

2年時の春、夏の甲子園に出場した。だが、3年時の昨年は打線の決定力に欠け、不安なムードを最後まで拭えず、コロナ禍を除く19年以来6年ぶりの2季連続甲子園を逃した。

「初めて本気で西谷先生が悔しがる姿を見たんです」。25年7月末、大阪大会決勝で延長戦の末に敗戦。試合後、西谷監督は3年生のみの集合で目にためた涙を必死にこらえ、健闘をたたえてくれた。「大阪桐蔭は日本一にならなきゃいけない高校」と、常勝軍団であり続けるきびしさを再確認した。入学時、身近な人へのあいさつもままならなかった後輩の姿が気がかりだったが、見捨てることはなかった。しっかり者の黒川には、2年春の時点で主将の仕事を引き継ぎ始めた。新チーム結成時には、すでに一体感あるチームができあがっており、中野は強い世代になることを確信した。

今春、西谷監督へのメールで後輩に2つの約束を託した。<1>プレッシャーの中で試合ができる喜びを愉しむ<2>自分たちにはアルプスの大応援団がついている。後輩は2回戦から3戦連続で1点差ゲームを制する勝負強さを見せつけた。

中野は決勝前日、社会人・東京6大学対抗戦(神宮)で好投。早大に3回完全、最速150キロを2度計測した。「野球は技術じゃない、社会人に行っても、人間は気持ちの部分が大切です。会社を背負い、会社のお金で活動する重圧の中、こうして真剣勝負ができる楽しさ…。社会人を選んでよかったので、僕も頑張ります!」。前主将の「魂」は、春夏通算10度目の優勝旗を引き寄せた。【中島麗】