<高校野球岩手大会:一戸4-3大槌>◇17日◇2回戦

 東日本大震災に襲われた大槌町にある大槌が、初戦で敗退した。2点を追う9回表1死満塁から、5番三浦健佑捕手(3年)の遊ゴロの間に1人が生還。なおも2死二、三塁と一打逆転の好機をつくったが、最後の打者が一邪飛に倒れた。

 2、3年生の部員13人中12人が津波などで自宅を失い、2人が転校するなど大きな被害を受けた。それでも、少ない部員で4月20日に練習を再開。5月に駒大苫小牧(南北海道)の招待試合で交流するなど、懸命に野球に取り組んできた。

 佐々木雄洋監督(30)は「支援してくれた方々に、いい報告ができれば良かったんですが」。新田純粋主将(3年)は「負けて悔しかったけど、震災を乗り越えて3年間の最後に全力プレーができたので、悔いはありません」と潔かった。