<高校野球福岡大会:柳川6-3香椎>◇14日◇2回戦

 真弓先輩、危なかったけど勝ちました!

 阪神真弓監督の母校で、甲子園春8回夏8回出場の名門柳川が、ひやひやの初戦(2回戦)突破だ。香椎に1点リードされた9回、最後の攻撃。1死一塁からエース田中藍人(3年)が左翼線に適時二塁打で追いつく。延長10回、ようやく打線がかみ合った。4安打で3点を奪い、初戦敗退の危機を乗り切った。

 今年4月に就任の藤丸健二監督(43)も冷や汗びっしょりだった。「9回は不思議と負ける気がしなかったんですが…。やはり夏の初戦。硬くなって、苦しい試合展開になってしまった」。名門をがけっぷちに追い込み、そして救ったエース田中藍も同じ思いだ。「緊張で球が荒れて、ストライクをとるのに苦労しました。野手に申し訳なくて…何としてでも打ちたかった」と責任感で打った。

 05年夏の甲子園に出場して以降、聖地が遠い。周囲の期待を「大きいですね」と新監督はひしひし感じる。今夏からエースナンバーを背負う田中藍も「伝統ある学校なんで。ふがいない投球はできない」と言う。ただ、名門の重圧にもがき苦しんだ経験は今後に生きる。藤丸監督は「勉強になった。これで勢いをつけてほしい」と期待した。【実藤健一】