<高校野球東東京大会:関東一7-0二松学舎大付>◇29日◇準決勝

 関東一の頼れる4番小野寺颯人捕手(3年)が均衡を破った。0-0の5回裏2死満塁。2ボールと打者有利のカウントで「相手はフォアボールは嫌だろう。単打でいいんだ」と、楽な気持ちで直球だけを待っていた。狙い通りに来た内角高めの直球を強振。打球は左翼席中段に飛び込んだ。小学6年以来という満塁本塁打。小野寺は右手を突き上げてホームを踏み、ナインから手荒い祝福を受けた。

 4回を終えて0-0の投手戦。エース皆川の力投に小野寺は「何とか先制して楽にしてやりたい」と思っていた。「以前は長打を意識していたけど、単打を打つつもりで打ったら長打につながった」と、5回戦の千歳丘戦に続く今大会2本目の1発を振り返った。米沢貴光監督(35)は「彼はうちのポイントゲッター。しっかり4番の仕事をしてくれた」とねぎらった。

 この満塁弾で勢いづいた打線は6~8回に1点ずつ追加して4戦連続コールド勝ち。2年連続の甲子園まであと1勝とした。昨夏は代打出場だけだった甲子園で、主力で活躍したい思いが強い小野寺は「ここまで来たら狙いたい」。2年連続の優勝を誓った。【茶木哲】