<高校野球青森大会:光星学院8-6青森山田>◇17日◇3回戦◇八戸市長根

 2季連続甲子園準優勝の光星学院が青森山田を延長10回で下して4回戦進出を決めた。10回表、7番武田聖貴一塁手(3年)の2点二塁打で勝ち越し。城間竜兵(3年)が完投し、ライバルとの死闘を制した。

 光星学院が底力をみせた。7回にエラーで青森山田に5-6と勝ち越された。だが8回、武田のセンターへの飛球が相手のダブルエラーを誘い同点。10回表1死一、二塁で、再び武田が左中間二塁打を放った。勝利の瞬間、城間は疲れ切った表情で白い歯をみせた。

 序盤は優勢に試合を進めた。3回、4番北條史也遊撃手(3年)が3ランで5-1。だが青森山田の猛反撃に遭い、苦しんだ。結局城間は14安打を浴びたが、投げ抜いた。主将の田村龍弘捕手(3年)は「監督さんは代えるかと言ったが、自分は城間に投げさせたかった。城間で負けたら仕方がない。信頼している」と言い切った。

 ラッキーボーイの武田は「10回は思い切り振った。去年の夏、青森山田と対戦した時はボールボーイをしていたが、青森山田は怖かった。こんな厳しい試合で勝つと勢いがつくと思う」という。3ランを放った北條だが「打ったのを忘れていた。その後の展開がすごくて。勝って校歌を歌った時に思い出した」というほどの熱戦、死闘だった。

 仲井宗基監督(42)は「光星学院は打つといわれるが、つないでつないで田村や北條が打つチーム。今日は青森山田の気迫がうちを上回った。でも粘り強く戦った。今後への大きな強み」と収穫を強調した。苦戦はしたが、これで現3年生ナインは入学以来、青森山田に負け知らず。2季連続逃した甲子園の大旗をこの夏取りに行くため、絶対負けられない関門を乗り越えた。

 「ミスはあったが、みんなでカバーした。青森山田は粘り強かったが、うちも粘って粘って自分たちの野球をした。こんな試合をモノにしたからには、青森山田の分も頑張っていきたい」。田村が静かに、だが力強く宣言した。【北村宏平】