<高校野球秋田大会:秋田商4-3能代商>◇24日◇決勝◇こまちスタジアム

 戦後初の3年連続甲子園出場に挑んだ能代商が、あと1歩のところで悪夢を見た。9回2死走者なしからまさかのサヨナラ負け。工藤明監督(36)は「私の指示で勝負を急ぎすぎた。エラーも、ヒットみたいな当たりでしたから。選手は100%の力を発揮してくれた。これ以上ない素晴らしいチームだった」と泣きじゃくる選手をねぎらった。

 来年4月に能代北と統合し、能代松陽に校名も変わる。しかし、「NOSHO」のユニホームに刻まれた魂は継承される。同校25年ぶりの甲子園出場を決めた一昨年夏、県勢連続初戦敗退を「13」で止めた昨夏の活躍をたたえた石碑が、卒業生の厚意で9月に完成する。畠山主将は「自分たちの代で出られなかったのが悔しい。こういう形で終わらないように、練習から追い込んでやってほしい」と後輩に後を託した。記録と記憶に名を残し、能代商が最後の夏に幕を下ろした。