<センバツ高校野球:白鴎大足利9-1東陵>◇23日◇1回戦

 白鴎大足利(栃木)は3番大下誠一郎外野手(2年)が、春夏通じて甲子園初となる4本の二塁打を放ち、東陵(宮城)に大勝。

 白鴎大足利の「ジャイアン」、3番大下が甲子園史に名を刻む大活躍だ。

 1回1死二塁、2ボールから直球を読み切って三塁線を抜く先制適時二塁打を放つ。3回は右中間を破る適時二塁打。4回、8回は中堅手が目測を誤る幸運な二塁打で、1試合4二塁打の甲子園記録をつくった。

 中学時代にボーイズリーグ日本代表として世界一に輝いた。実績と先輩にも物おじしない性格で、ついた異名は「ジャイアン」。「自分でもこんなに打てるとは思ってなかった」と笑った。右足にためを作るため、冬場に左足を上げるフォームに変更。甲子園デビュー戦で、結果につなげた。

 福岡・北九州市出身。幼少時、建築関係の仕事を行う家族が自宅横の空き地を100坪購入した。グラウンドに整備して打撃マシンを置き、自宅の8畳部屋は、室内練習場に改修。家族の愛を受けて成長し、「親も来ていたので、恩返しできて良かった」と言った。

 1月4日からは佐野市・氷室山で4泊5日の合宿を行った。携帯、テレビ禁止で、山道を連日10キロ以上走り、心身を鍛え上げた。体に切れを出すため、8キロ減量。「プロ野球選手になって、ホームランバッターになりたい」と、堂々と大きな夢を宣言した。【前田祐輔】

 ◆個人最多二塁打

 白鴎大足利・大下が個人1試合最多となる4二塁打。過去は01年大引啓次(浪速)ら5人が3本を記録していた。夏の大会でも1試合最多は3本(24人)。