<高校野球秋田大会:由利工13-3能代工>◇15日◇2回戦◇グリーンスタジアムよこて

 注目左腕、由利工・児玉卓也(3年)が能代工を6回4安打7奪三振2失点に抑えて、7回コールド勝利に導いた。

 秋田NO・1投手の児玉が上々のスタートを切った。166センチの左腕はテンポ良く6イニングを4安打2失点。6回に2安打と内野失策、自らの暴投などで2点を失ったが、7つの三振を奪って「内容には満足。初戦でしたが力まずに抑えられてよかった」と汗を拭った。

 空振りの三振が6つを数えた。右打者8人を並べてきた能代工に対し、直球とスライダーで内角を突き、勝負球に外角に逃げるように沈むスクリューを選択。打たせて取るタイプだが、面白いようにバットに空を切らせた。渡辺義久監督(35)も「立ち上がりが良かった。打力のある打線に対して初回を(3人で)きっちり抑えたので安心して見ていました」とエースの投球に納得していた。

 「甲子園を目指そう」と一緒に由利工に入学した三浦豪孔君が1年の夏、熱中症で倒れて部を去った。野球を断念した親友の無念も背負って最後の夏に臨む児玉は「一緒にやりたかった気持ちはあるけど、今日見に来てくれたので頑張れました」。6種類の変化球を操り、混戦秋田の頂点に挑む。

 ◆児玉卓也(こだま・たくや)1996年(平8)8月15日、秋田県由利本荘市生まれ。本荘北中1年から本格的に野球を始める。由利工では1年夏からベンチ入り。166センチ、68キロ。左投げ左打ち。家族は両親、姉2人。血液型A。