<高校野球新潟大会:関根学園5-2新潟明訓>◇26日◇準決勝◇ハードオフ新潟

 「文明」2強の一角が崩れた。ノーシードから勝ち上がった関根学園が第2シードの新潟明訓を破り、初の決勝に進出した。1-1の6回に、滝沢拓人内野手(2年)の決勝適時右前打で勝ち越した。決勝は今日27日午後1時に、ハードオフ新潟でプレーボールする。

 快進撃が止まらない。関根学園ナインは校歌を歌い終わると喜びを爆発させてスタンドへ向かった。「23年間で初めて知りました。怖いものなし。最初からやってくれればどうこうない。勢いに乗ると恐ろしい力を発揮し、力以上のものを出す」。同校OBで就任24年目の安川斉監督(53)の言葉がすべてを物語っていた。

 投打で圧倒した。安川監督は「名前負けしないように、明訓のシートノックはほとんど見せなかった」と選手に気を使ったが、波に乗るナインには関係なかった。5回2死三塁で相手失策に乗じて先制し、6回に追いつかれるもその裏、4安打集中で2点を奪って勝ち越した。リリーフした新潟明訓のエース村山からも7回に2安打で2点を奪い、明訓を上回る10安打を放った。投げてはエース中村光希(2年)から背番号10の樋口甲星(3年)への盤石リレーで2失点で持ちこたえ、夏7回の出場を誇る横綱を押し切った。

 何度も死んだチームだった。2回戦(糸魚川白嶺)で逆転3ランを浴び、3回戦(加茂)は4点差を9回に逆転し、4回戦(三条)では6点リードを追いつかれた。ただ、試合は落とさなかった。修羅場をくぐることで、チームはたくましくなった。今大会1本塁打10安打6打点の3番小山謙太郎外野手(3年)は「自分に余裕ができた。負ける気がしない」と自信を持って胸を張った。

 初の聖地へあと1勝。「夏の1勝でチームが成長している。ベンチの雰囲気が全然違う」。安川監督は淡々と話した。相手は大横綱の日本文理。23年間の集大成の夏、快進撃はまだ終わらない。【高橋洋平】