<明治神宮大会:東海大菅生7-4静岡>◇15日◇高校の部準々決勝◇神宮

 静岡の神宮初勝利はならなかった。34年ぶり2度目の出場となった静岡は、東海大菅生(東京)に敗れ、今年の公式戦を終えた。9安打を放ったものの、相手に2本塁打、3二塁打と要所で長打を浴びた。静岡は敗れはしたものの来春のセンバツ出場が濃厚で、全国で戦うための目安ができた。

 全国の舞台は手ごわかった。新チームになってから東海大会優勝まで、打ち勝ってきた静岡だったが、この日は相手投手の低め変化球に手を焼き11三振を奪われた。そのうち10が空振りだった。栗林俊輔監督(42)は「低めの変化球を見極めきれなかった」と振り返った。

 序盤で適時打が出なかったことで苦しんだ。1回は1死二、三塁、3回は1死満塁としたがともに暴投による1点のみ。1番の鈴木将平(1年)が4安打したが中軸が無安打に封じ込まれた。安本竜二主将(2年)は「低めに手を出してしまった」と勝負となったポイントを口にした。

 打撃で勝ち抜いてきたが、この日は長打が1本のみ。相手の7本を上回る9安打を記録したが内野安打が3本。三盗を含む4盗塁と機動力を見せたが、残塁は相手の4に対して11。東海大会とは勝手が違った。

 しかし、敗れはしたがセンバツ前哨戦ともいえる大会で手応えと課題も見えた。キレのある変化球投手と対戦できたことは収穫で、投手力のレベルアップという課題はより明確になった。安本主将は「かなわないという力の差は感じなかった」と強調した。センバツ発表は来年1月23日。この日の敗戦を胸に冬の練習が始まる。【加納慎也】